「そうなんだ」

俺はそれ以外何も言えなかった。

話してくれたことが嬉しかった。

そして斉藤が俺と同じ境遇だったことに驚いた。

そして今こんなに輝いてる。

みんなにバカにされている、絶望した情けない、いじめられっ子からヒーローに。

俺は感動した。

本当にこの男がいなければ俺はどうなっていただろう。

ずっと坊主だった。

ずっと担任に媚びていた。

一生負け犬だった。

考えただけでゾッとする。

「この世界はさあ、くだらないことばっかなんだよ」

斉藤が真面目に語りだした。