その瞬間、斉藤がぶち切れた。

「痛えだろ!!」

担任も、斉藤の叫び声に驚いた顔をする。

教室に殺伐とした空気と、ヤバイ雰囲気がただよう。

相当危険な状況だ。

俺は隣で起こっている修羅場が怖かった。

「教師に向かってなんだその態度は!!」

担任は完全に切れちまってる。

担任は手を振り上げた。

もう一度殴るのか。

「おいっ!待てよこら!」

斉藤が激しい怒声を飛ばす。

尋常ではないドスの効いたとんでもない声だった。

担任も思わず動きを止めた。

沈黙。

そして斉藤が急にニヤッとして笑顔になった。