「斉藤!」

担任はひどく怒った顔をして叫んだ。

斉藤は相変わらず焦点の合わない目でいる。

「何で直ってないんだ?」

担任が斉藤に問いかける。

斉藤は急にギロッと担任を睨み、

「俺のポリシーなんすよ先生。大目に見てください」

そう言った。

すごい男だ。

今にもぶち切れんばかりの担任にこの態度だ。

だが担任はそんな甘くない。

そう、そんな甘いわけがないのだ。

斉藤に無言で近づく。

担任はもう吹っ切れた表情をしていた。

怒りがピークを超えてしまったんだろう。

担任は斉藤の頭をひっぱたいた。