翌日。

朝教室に入ると、斉藤は昨日と何も変らないままだった。

担任はまだきていない。

斉藤は、むしろ昨日以上に髪が明るくなって、ツンツン頭になっている気がする。

「おはよう」

「おっは~」

斉藤は落ち着いている感じだった。

よっぽど担任をなめているのか。

それとも鈍感なバカなだけか。

それとも超不良の大物なのか。

とにかく普通ではない奴だ。

ガララララ。

ドアが開く音。

この音で俺はドキッとしてしまう。

そして嫌な感覚に陥る。

「おはよう」

担任が生徒たちを見渡す。

ふてぶてしい、腹立たしい表情をしている。

憎しみが湧くというより、俺はもはや絶望しか湧かなかった。

担任が斉藤を見る。

斉藤は担任と目を合わさず、焦点の合わない目をしていた。