「いってきます」

「いってらっしゃい」

いつも通りだ。

だが一つ違うことがあった。

母が心の底から喜んでいるように見えた。

その姿を見て、俺は頑張んなきゃと思った。

母の息子を思いやる気持ちがヒシヒシと伝わってきた。

喜びと不安を抱えて俺は登校する。

またもまともに登校できていない。

いつ心安らかに登校できるような日がくるのだろうか。

学校が近づいてくるにつれ、生徒たちがたくさん歩いている。

幸い、知り合いはいないが、みんなが自分を見ているような気がする。

額に脂汗がたれる。

坊主頭をバカにされないかが本当に心配だ。

反省文を書いたが課題はやっていなくて大丈夫だろうか。

よく考えたら、ふざけている気がする。

だがもうどうしようもない。

勇気を持って歩くしかない。

もう学校だ。