「はいお疲れ様~」

目の前の鏡には、以前の姿とは変わり果てた、坊主頭の俺が写っていた。

頭が涼しい。

そして妙に軽い。

手で触ってみる。

ジョリジョリする。

新鮮だった。

坊主になった自分の姿を見て、情けないような悲しいような嬉しいような、よく分からない気持ちになった。

だが何かが吹っ切れた感じだ。

男として、気合が入った感じだ。

それと同時に反省して坊主にして、髪の毛と一緒にプライドまで刈り取られてしまったような気がした。

「似合ってるよ。風邪ひかないようにね」

そう店主に言われた。

「ありがとうございます」

俺はそうお礼を言い、金を払って外に出た。

やはり頭が涼しい。