翌日。

「いってきます」

「いってらっしゃい」

金髪と太いズボンのままの俺がいた。

母は何も知らないで送り出す。

なぜ担任にあれほど言われても直さなかったのか。

分かっていた。

俺は自分で分かっていた。

ポリシーというものか。

そんな生易しいものじゃない。

金髪じゃなきゃ生きていけない。

そうとさえ感じていた。

髪が黒くなれば、昔のいじめられっ子の時のようになる。

そういう恐怖もあった。

髪が金髪というだけで怖がられるし、尊敬される。

弱い自分を守っているような、そんな大切な感覚になっていた。

太いズボンも同様だ。

学校に近づくたびに不安になる。

ああ、いつになっても変わらない。

俺は学校というものに恐怖するんだ。