「謝れって言ってるのが分かんないのか!!」

担任がそう叫んだ。

今までの怒りとは違う。

俺を殺さんばかりの表情。

胸倉を掴まれ、強烈に壁に押さえつけられる。

動けない。

激しい恐怖から動けないのだろうか。

微動だにできない。

身体が震える。

あまりに恐怖で、俺の中で、見栄、プライド、誇り、そういったものが崩れ去った。

「ご、ごめんなさい」

震えたか細い泣きそうな声だった。

実際泣きたかった。

担任は投げやりに掴んでいる俺の胸倉を離した。

「席に着け!」

そう言われ、俺は言われるがままに自分の席に着いた。

教室はおかしな空気になっていた。

俺の存在は、再び担任によって否定された。

正義などないのにだ。