「よーし!」

斉藤が叫ぶ。

ここからだ。

俺は演壇に素早く戻る。

斉藤が頭を持ち、俺が足をい持つ。

校長を運ぶのだ。

「な、何するんだ!いい加減にしろ!」

校長が言う。

だが俺らは聞かない。

校長という立場に居座り、楽をし続けて、俺らが苦しんでいるのを何も知らなかった、ふざけたジジイの言うことなど聞けるはずがない。

「黙ってねえと、てめえもあの担任みてえに殺しちまうぞ」

斉藤が脅す。

とてつもない殺気。

校長は黙ってしまった。

どんな偉い人間でも、大人でも、単純な暴力の恐怖は恐れる。

俺と斉藤は、校長を抱え、体育館を出る。

クボタ、そしてギャルもくる。

他の教師を抑えていた、みんなもついてくる。

恐怖からか俺たちを追うものはいない。