「お待たせ」

朝食ができる。

いつものけして豪華ではない朝食だ。

俺は食べた。

これが母の料理を食べる最後になるかもしれない。

大げさじゃなくその可能性もsる。

俺は味わって食べた。

温かいお茶を飲む。

ゆっくりと、身体の芯まで温めるように。

「ごちそうさま」

昨日と同様、自分で食器を洗う。

最後の親孝行だ。

部屋に戻る。

卒業式・・・。

本当は笑顔で迎えるはずなのに。

俺の顔は計画実行の不安で浮かない、さえない表情だった。