腹は減っていないはずなのに、母の料理は食えた。

全部食べられた。

なぜだろう。

ファミレスの高級ステーキも美味しかったが、それよりも母の作った料理がうまく感じられた。

「ごちそうさま」

皿は自分で洗った。

いつもは洗わない。

親孝行がしたくなったのだ。

俺は部屋に戻る。

またベッドに横たわる。

目を閉じる。

明日だ。

明日実行するんだ。

自然と涙がこぼれてきた。