俺は斉藤と帰り道が同じ方向だ。

「帰ろうぜ」

二人で帰る。

気のせいか、いつもより口数が少ない。

明日計画を実行するという緊張感からだろうか。

「明日だな」

俺は言った。

「うん」

斉藤はうなずく。

俺らに言葉はいらない。

そう思った。

喋らなくても分かり合っている。

そう不思議と思えた。

そろそろ俺の家だ。

別れ際、

「明日、マジ学校ぶっ壊そうぜ」

俺は笑顔で言った。

「もちろんだろ」

斉藤はそう答えた。

そして別れた。

斉藤の笑顔が、妙に人間味溢れて見えた。