「ごちそうさま」

「ごち!!」

レジで斉藤が会計を済ます。

金額は中学生が払うものではなかった。

「気にすんな。明日から全員檻の中かも知れねえ」

斉藤のその言葉に、みんなの笑顔がひきつる。

しかし本当にそうなのだ。

明日、人生が崩壊するかもしれない。

その可能性は十分にある。

「解~散」

斉藤がそう言い、解散した。

各自、家に帰るのだろうか。

もしかしたら、彼女がいる人間は、最後になるかもしれないデートをするのかもしれない。

「じゃあな」

クボタが別れの挨拶をつげ帰る。

その言葉からは非常に重いものを感じた。

帰るクボタの背中が、気のせいか大きく見えた。