クラスメイトはうつむいていた。

名前はクボタ。

不良グループの一人だ。

「いじめてごめん。そんな悩んでたとは思わなかった。ほんとごめん」

クボタは謝罪の言葉を発した。

俺の中でさまざまな感情が複雑に重なり合う。

何を今さら・・・・。

謝ったって許すものか。

俺は死を選ぶほど苦しんでいたんだ。

それなのに、そんな悩んでいたとは思わなかったって何だ。

そういう心が軽い気持ちでいじめを行い、人を自殺に追い込むんだ、そう思った。

だが、俺は憎しみの気持ちとは別に、内心嬉しかった。

やっと分かってくれたのか。

今まで俺がどんなに泣き喚こうが気づかなかった。

でもクボタは気づいてくれた。

そしてこうして謝ってくれている。

「ありがとう」

俺は訳の分からない返事をしていた。

いじめられて自殺未遂までしてなぜお礼を・・・。

クボタも驚いた顔をしていた。

でも、嬉しかったのだ。

クボタがきてくれたことが。

俺は笑っていた。

俺の心は今までとは違って、希望で満ち溢れていた。