斉藤の話は誰にも止められない。

聞くのが怖くても。

これ以上聞くのが辛くても。

「もっとすごいことを教えてやるよ」

斉藤が自信満々に笑みを浮かべ言う。

ああ、もうやめてくれ。

頼むからやめてくれ。

俺は心の中でそう思った。

「何で制服着てるんだ?」

その斉藤の言葉は重すぎた。

俺の今までの人生をぶち壊すぐらい。

そうだ。

なぜ、制服を着てるんだ。

着なくていいじゃないか。

学校って何なんだ。

俺の今までの、小さいつまらない考えは否定され破壊された。