法に触れない武器。

そんなもの、あるのだろうか。

仮にあったとしても、みんなが持ち歩きはしないかが心配だ。

「そんなのある?」

クボタが考えつつ、聞く。

どうもみんなはっきり思い浮かばないようだ。

斉藤だけは違ったようで、

「笛だ」

「授業で使う彫刻刀だ」

「見た目はリアルだが、刺すと刃がへこむ、ニセモノのナイフだ!」

などと言う。

たしかにあるにはある。

「いいね」

みんながそう言った。

着々と完全な計画になっていく。