俺様執事に全てを奪われて

「…て、愛子、誰から?」

わたしは愛子を見上げた

愛子は笑顔を崩さずに、わたしを見ている

「須山 元さんって表示あるけど」

「ひゃあああ、もうダメだぁ」

「何が?」

愛子が不思議そうにする

「心臓が口から出できそう
ぽろっと出てきて、愛子のベッドの上で死んでやるんだ
くそぉ…死に場所はここに決めた」

わたしはもそもそとベッドの布団の中に逃げ込んだ

本当に勘弁してよぉ

無理だって言ってるじゃん


「ちょっと、勝手に決めないでよ」

愛子のため息が聞こえてきた

だって、無理なものは無理なんだ

話すなんて、わたしにはできないんだ

「ほら、電話に出ないなら、メールすればぁ?」

「通話中になってるなら、メールできないだろうが」

「『好き』ってメールしたいんでしょう?
元さんに…苛々して、涙が出ちゃうくらい好きだってメールしたいんでしょ?」

愛子がベッドに座った

ぎしっとシングルのベッドが軋む音がした