俺様執事に全てを奪われて

「椎名さん、何か飲みますか?」

有栖川が冷蔵庫を開けながら、質問してきた

「梅酒」

「は?」

有栖川がほうじ茶のボトルを手にしたまま、振り返った

「ないなら、聖一郎が買ってきてよ
ね、愛子も一緒に飲もうよ
美味しいよ」

わたしはほほ笑んだ

梅酒が飲みたい

何もかも忘れて、ぐっすり眠りたいよ

有栖川が冷蔵庫を閉めると、ほうじ茶をコップに移した

「駄目ですよ
愛子さんは未成年なんですから」

「ふん…梅酒くらい…」

「椎名さんだって、未成年でしょ?」

有栖川が、ほうじ茶を出してくれる

「飲みたい
飲んで、飲んで、飲みつかれて、眠るまでぇ」

「いつの歌をうたってるんです?
随分、古い歌ですけど?」

有栖川が愛子のとなりにある椅子に座った

「梅酒がいい」

「駄目です」