「ちょっと!」

「はい?」

わたしは受付のテーブルを叩いた

反応が薄くてつまらないよっ

少しくらいイラってしようよお!

「わたしの話を聞いているの?」

「ええ、有栖川とお見合いして良かったですね」

はあ…

きっと聖一郎を信頼してるんだろうなあ

どうしたら相手を信頼できるんだ?

こいつなら平気だ…って思える?

わたしはいつも不安で仕方がない

どうしたら堂々としていられるんだ?

「ねえっ!」

「だから、何ですか?
ゆっくり考え事をさせてくださいよ
竜ちゃんとのことで頭がいっぱいなんですから!
余計なことを吹きこまないでくださいませんか?
忘れちゃうんですから、私…違うことを考えると」

は?

わたしは口を開けたまま、動きが停止する

…って、聖一郎を信用しているんじゃないか?

聖一郎から話を聞いて、わたしの言葉を適当にあしらっているんじゃないのか?

違うのか?

「は?」

余計なことを吹きこまないで…って?

見合い相手の言葉は、余計なことか?

こいつ…面白いやつかも?

「乙葉…お前の負けだ
大人しく座ってろ」

わたしは元に掴まれると、ソファに引き摺られた