俺様執事に全てを奪われて

「海に入ったから、体が冷たくなってる
温かい飲み物を用意しよう」

元がわたしの二の腕を擦った

「あ…平気だって
愛子が腹を空かしてるんだ
早く行こう」

「大丈夫だ
愛子さんには、おにぎりを渡しておいた」

「は?」

「朝食を食べてないと有栖川から聞いていたから
渋滞用の小腹対策として持ってきておいたおにぎりを渡しておいた」

元って…すげえ

何でも持ってるんだな

水着の上から着る上着も、海で用意しておいてくれたし

「用意周到だな」

「優秀な執事だからな」

「はあ…」

「乙葉が不快にならないようにするのが俺の仕事だ」

「わたしじゃないだろ?」

「なぜそう思う?」

「だって元のご主人さまはわたしの父だ」

「その方の大切な娘だ
大事に扱うのが俺の仕事だ」

「妊娠させるのもか?」

元がふっと微笑んだ

「それは違う」

「は?」

「ほら、ココアをいれた
熱いから、気をつけて飲めよ」

マグカップに入っているココアをわたしの前に差し出した