俺様執事に全てを奪われて

プリンスって素晴らしい

…で、元は?

わたしは元を見上げる

元はわたしの腰に手をまわした

『きゃあ、彼女いたの?』
『うそ』
『まだ子供じゃない』
『妹とか?』
『あり得るかもぉ』

女性たちのひそひそ声に、わたしはハッとした

「元、離れろ」

「なんで?」

「いいから、離れろ」

わたしは元の手を払うと、離れて歩き始める

女性の痛い視線が、体に突き刺さる

『あの子は誰?』
『あの人のなんなの?』

という、きびしい視線が怖い

愛子はどうなのだろうか?

わたしは愛子を見た

愛子と有栖川は、とくに気にすることもなく手をつないで歩いていた

は?

あの状況の中で歩けるのか?

手をつなげるのか?

わ…わたしには無理だ

絶対に…無理だ

人の視線は痛くて、心に刺さるから…怖い