誰かが…
私の頭をなでている………
美鈴はゆっくりと目をあけた。
かつて、迷子になった時
助けてくれた人がそこにいた。
「痛むところはないか?」
「はい。」
よかった。
そう言って藍凛丸は
柔らかな笑みを見せた。
「私は………どうしてここに…?」
自分の置かれた状況を
確認しようと身を起こそうとして
「まだ横になっていた方が良い。」
止められた。
「お前は、緋昏の崖から落ちた。」
そうだ。
緋昏の妹に…
だがあの高さだ、助かる訳が無い。
「落ちた先が川で良かった…
でなければ、私はお前を助けられなかった。」
美鈴が考えている事に気付いたのか藍凛丸は続けた。
「川…」
