あれから10年がたち
美鈴は15歳になっていた。

両親には、はやく許嫁と結婚しろ・
といわれる毎日。

うんざりだ。

許嫁なんかと結婚するのは嫌だった。

私は同じ村に好きな人がいたから。

その人でなければ結婚なんて
絶対したくなかった。

とは言ったものの・・・・
相手にすでに妻はいるし
結婚なんて夢は叶いそうもなかった。



「はぁ・・・
やっぱむりなのかなぁ・・・・」


「おっ!おはよぉ!今日も晴れだなっ!」

「わぁっ!!おっ、おはようございますっっ!!!」

考えていた人が急に目の前に出てきたから
美鈴はうろたえてしまった。

「なんだぁ、暗い顔してんなぁ!元気出せよっ!!」

「はぃ・・・・」

あんたのせいだよ!!!!
・・・なんてことは
口が裂けても言えない。

「まぁ、ここんとこずっと晴れってからな・・・
 元気もなくなるよな~あはは。」

「わっ笑い事じゃないですよっ!!!佐久助殿っ!」

半田 佐久助

そう、この人こそが私の思い人・・・