一方、尚太郎は…








「く…………そ…。
ゲホ、ゲホ。」


村人達に裏切り者だと、
罵られ、蹴られ、殴られ、
石を投げられた。

いわゆる、『村八分』


家族からも、
村八分を恐れて見捨てられた。



その姿は傷だらけで、
着ていたものは汚れて所々破け、
ぼろきれのように変わり果てていた。





「……守れなかった……。
僕のせいで…、
あの時もっと僕が強ければ…。」


土を握りしめる。


村から離れた山中に尚太郎は
捨てられた。


もう立ち上がる体力さえ、
残っていなかった。


「ちくしょおおおぉぉおおぉおおおっ!」


しんと静まり返った森に、
尚太郎の悲痛な叫びが轟いた。













ジャリッジヤリッ



土をふみしめる音がした。