「起きたか。気分は?」 「はい、…もう大丈夫です。」 「そうか。 腹減ってるだろう?飯にするか?」 美鈴はこくりとうなずいた。 その様子をみた緋昏は、背負っていた風呂敷をほどいて山で採ってきたと思われる果物を机の上に並べた。 「好きなだけ食え。」 そう言って緋昏は美鈴の反対側の椅子にどさりと腰掛けた。 「いただきます。」 美鈴は真っ先に好物であるあけびを手に取り食べ始めた。