ここに来るまでに覚悟はしていた。 でも、やっぱり 怖いもんは怖い。 私は、目をぎゅっと強く瞑った。 「・…? なんだ、お前何故そこでつっ立っておる?」 のしっ、のしっ、と 緋昏が来る音が近づいてくる。 そして、 緋昏はその大きな、赤い手を美鈴の頭にのせた。 美鈴の体が強張る。 「…。」 「……。」 いつまで立っても何もしてこない緋昏を 不審に思い、美鈴は恐る恐る目を開けた。