美鈴を乗せた籠は一定の速さで、 鬼の住むといわれる白洞三へだんだんと近付いて行った。 そういえば、佐久助殿と梅子殿はどうなったのだろう。 逃げ切れたみたいだったけど…。 今頃はどこか、この村を遠く離れたところで宿でも探しているのだろうか。 梅子殿の事は救えなかったけど、2人を救えてよかった。 揺れる籠の中、美鈴の心情は穏やかなものだった。