村に引き戻された私達は、村長の家に連れて行かされた。 村長の家の扉を開け、男は乱暴に私達を村長の家の中に放り込んで村長に事の経過を伝えた。 「うむ。そうか。逃げられたか。」 顎に蓄えられたひげを触りながら村長が言った。 「申し訳ありません。」 私達をつかんで引きずった男が謝罪した。 「よい。」 「しかし…」 「こうして裏切り者の加担者を連れて来れただけでもよかった。」 「…」 次に村長の口からとんでもない言葉が飛び出た。 「次の鬼隠しは、お菊の代わりにこの娘にする。」