病院を出て、帰り道を二人でとぼとぼ歩いて行く。 何よりも耐えられないのが この重い空気。 (流石に露衣君怒ってるよね!!) 私は恐る恐る露衣君の顔を見る。 「……高月先輩」 「Σは、はいっ」 怒りの言葉が飛んでくると覚悟した私にかけられた言葉は意外な物だった。 「ありがとうございました」 「…………え、何で??」 露衣君は私の顔を見て微笑んだ。 普段無表情の露衣君に、そんな顔されたらドキドキが止まらなくなる。