深い夜色の向こう側を見つめる。星の息吹を感じながら。


町の片隅にある小さな神社は、今ではもうすっかり色あせてしまった。あんなにあの頃はにぎわっていたのに。

ーー忘れ去られて、砂のように零れ落ちて、そうなる前に。手遅れになる前に。



鈍色の鳥居の下少年はため息を吐く。


今思い返しても腹が立つ。あのキツネさえ余計なことを言わなければ。





「僕は反対だ……絶対に」



その口調は静かなものだが、怒りがふくまれ