図書館で暇つぶしに借りてた本を思い出す。


机の上に置いたままになっている本を手に取り、そのままベッドに沈む。読書をしている間は現実から離れられる、それが唯一の救いでもあった。



表紙ーー見覚えがある、気がする。
朧気に浮かんで…………夢の中の建物!


パッと起き上がり、慌てて題名を確認する。



“神秘の国燈翠”






……め……ま……きっと……


夜色の、…………。