淡いピンクのリュックに、ジュースやお茶、それからお菓子などを詰め込む。まるで、遠足のようだ。
「ーーあとこの鈴も……なんだろう、前より青が深いような……気のせいかな?」
深い瑠璃色の鈴をまじまじと見つめる。そして今気づいたことなのだが、中身が空っぽなのだ。
だから、音が鳴らない。
これを渡した張本人はいとも簡単に消えてしまった。何も覚えてなかった、誰も。まるで最初からそんな人はいないようなーー神隠しにでも遭った気分である。
ーーキツネ。紫水さんからの返信にはそうか書かれていた……まさかね。
一体どういう関係なんだろう。
部屋の外はまだ明るい。まだ、時間はある。
「ーーあとこの鈴も……なんだろう、前より青が深いような……気のせいかな?」
深い瑠璃色の鈴をまじまじと見つめる。そして今気づいたことなのだが、中身が空っぽなのだ。
だから、音が鳴らない。
これを渡した張本人はいとも簡単に消えてしまった。何も覚えてなかった、誰も。まるで最初からそんな人はいないようなーー神隠しにでも遭った気分である。
ーーキツネ。紫水さんからの返信にはそうか書かれていた……まさかね。
一体どういう関係なんだろう。
部屋の外はまだ明るい。まだ、時間はある。



