鳥居の向こうで運命変えます

家路に着く頃には弟がもう帰ってきていた。
制服を着たまま、キッチンで麦茶を飲み干したところだった。


視線が一瞬だけ絡み合うーーが、すぐ逸らされグラスを洗い、そのまま自分の部屋に行ってしまった。


会話ゼロ。


普段からあまり喋らない弟。


「……あんな奴知らないんだから」


そう言い捨て、さっさと残り物の卵焼きと肉じゃがをつまみ、麦茶で無理やり流し込む。洗い物はそのまま流し台に置いてーー自分の部屋がある二階に急ぐ。



幸いにも弟は下の階だから、その辺は楽だった。