突然くるりとこちらを振り返る。ようやく足を止めてくれる気になったのだろうかーーしかしそんなわけがなかった。


「最大のヒントね?アイツは今話題の人物で、君を陰ながら守護してたんだよね実は。言うなって口止めされてたんだけど、いずれバレるよねぇ。

そうそう、それはもともとは君のものだから。オレはただ返しただけ。失くさないようにね」


手をひらひら振ってーーそのまま消えてしまった。ファイが立ち去ったことが原因なのか、ぐにゃりと空間が歪む。


そこから先はよく覚えていない。


でもーー夢じゃなかった。


手の中には、鈴がある。