トントン

「お姉ちゃん。朝だよ。早く起きてね」

よし。これでOK。

いつもは叩き起こすんだけど、

今日は優喜さんがいるから。

以前ちょっと恥ずかしいめに合ったからさ…

それは私が中3になったばかりの頃。

前の日に優喜さんが泊まって

でもいつものように支度をした。

私は優喜さんが来ていることを忘れて、姉の部屋のドアを開ける。

「お姉ちゃ――ん?!んーーーっ」

部屋の中を覗くと

ベッドの中で裸で寝ている姉。

そして、まずかったかなと言いたげな上半身裸でベッドに横になっている

優喜さん。

「し…失礼しました…」

そーっと部屋から出て行く私。

そして部屋の中からクスクスと優喜さんの笑い声が聞こえた。

これは後世に残る私の最大の屈辱的な出来事だった。

それから暫く姉とも優喜さんとも顔が合わせられなかったっけ。

そんな事を考えているうちに時間が来て、

私は家を出た。