「・・・郁。荷物は、まとまった??」





母さんが、座り込んでいた俺に声をかけた。

俺は母さんを振り返った。


少し笑って頷く。




「・・・んじゃあ、そろそろ行きましょうか」





“あたしんこと、もう構わんで。
どっか都会行って、忘れてくれても構わんから”






イズの言葉が。


俺の胸に小さな針を刺したままだった。