旦那様は社長 *②巻*

し…しきたり……?



「これは全て頭に入れておかねばならんぞ?」


ポンっとあたしの両手に置かれたその巻物は……


「お、重っ……」



見た目は小さいくせに
ズッシリと重くて。


きっとこの中身も
……ズッシリ…重苦しいモノに違いない。



一体どんなことが記されているのか。



恐怖ーー!!



「このしきたりはぜったいじゃ。守れないモノは、有栖川を追放される」


つ…追放…?!


あたしの手の上に置かれた巻物は、ますますその重さを増す。



あたしが1人固まっていると。


「光姫さん、そんなに心配せんでも今守られてるしきたりはホンの一部じゃよ」


「…なんだ…あたしはてっきり……」


自由なんてなくなるのかと思った。


ハァー…っと
安堵のため息がもれる。



ーーよかった。



「ただし。光姫さんには有栖川の嫁として、第523条だけは守ってもらわねばの」


「え…第523条…?」



巻物を開くよう会長から催促され。


あたしはその恐怖の巻物に手をかけた。





この時からーー

あたしたちの歯車は
大きく狂い始めたんだ。