旦那様は社長 *②巻*


「離れないよ。……何があっても。っていうかもうあたし、悠河と離れるなんて……無理だもん」


「本当か?」


「……うん。どんな罰でも受けるって言ったけど、離婚だけはできない。だから、もしも離婚なんて言われたら、あたしは闘う」


「会長と?」


「そう。それだけは何があっても受け入れられないって、土下座でも何でもする」


「そうか。じゃあ、オレも一緒に付き合ってやる。……だけど、そもそも罰とか許すとか、会長にそんな権限ないだろ。神様でも何でもない、ただの爺さんなんだし」


「しかも悠河そっくりの変態爺さんだしね」


「おい、それは全力で否定するぞ。あんなジジイと一緒にすんな」


クスクスと笑い声が響く社長室。


だけどポスンと大きな音が1つした後、すぐにシーンと静まり返った。


悠河があたしの上からゆっくり頬を撫でる。


「ごめんな……」

「え?」

「普通の男と結婚していたら、きっとこんな苦労、お前がすることなかった」

「悠河……」


そんな顔しないで。


悠河が有栖川家の人間なのも、この会社の社長なのも、全部そういう運命なんだから。


「どんな苦労をしても……、それでもあたしは、悠河と一緒にいる未来を選びたい」


どんな苦しみも。

どんな胸の痛みも。


悠河がこうして一緒に背負ってくれるから……


あたしは何度だって立ち上がれる。