「オレがここに必要な人間?」
「……悠河?」
「じゃあオレは、お前にとって必要ない男なのか?」
「なんで、そんな……ッ」
言い終わる前に、悠河があたしの唇を塞いだ。
「ちょッ、……悠河ッ」
感情剥き出しの、激しいキスの嵐。
「光姫」
唇が離れる度に切ない吐息と共にあたしの名前を呼び、悠河は何度も何度もあたしを求めた。
「お前、変なこと考えるなよ」
「なんの……こと?」
「とぼけんな」
怒っているのにどこか悲しそうで。
「やめろよ。朝起きたら……お前がどこにもいないとか」
今にも泣き出しそうな顔であたしを見る。
「約束したろ。もう二度と離れないって。……何があっても」
「……」
「美姫に……誓ったろ?これからも2人で乗り越えていくって。……忘れたのか?」
忘れるわけない。
あたしだって今もそのつもりだよ。
あたしたちはもう離れちゃいけない。
今ここで離れることは、思いやりじゃない。
ただの逃げ……。
逃げてばかりじゃ、何も解決しない。

