旦那様は社長 *②巻*


「オレがここに必要な人間?」

「……悠河?」

「じゃあオレは、お前にとって必要ない男なのか?」

「なんで、そんな……ッ」


言い終わる前に、悠河があたしの唇を塞いだ。


「ちょッ、……悠河ッ」


感情剥き出しの、激しいキスの嵐。


「光姫」


唇が離れる度に切ない吐息と共にあたしの名前を呼び、悠河は何度も何度もあたしを求めた。


「お前、変なこと考えるなよ」

「なんの……こと?」

「とぼけんな」


怒っているのにどこか悲しそうで。


「やめろよ。朝起きたら……お前がどこにもいないとか」


今にも泣き出しそうな顔であたしを見る。


「約束したろ。もう二度と離れないって。……何があっても」

「……」

「美姫に……誓ったろ?これからも2人で乗り越えていくって。……忘れたのか?」


忘れるわけない。


あたしだって今もそのつもりだよ。


あたしたちはもう離れちゃいけない。


今ここで離れることは、思いやりじゃない。


ただの逃げ……。


逃げてばかりじゃ、何も解決しない。