旦那様は社長 *②巻*


「光姫……」


悠河があたしのために流す涙は、これで何度目か分からない。


だけどもう、こんな悲しい涙は流させないと誓うよ。


「オレも」

「え?」

「ありがとう。……美姫のパパにしてくれて」


泣いているくせに、とても柔らかく笑った悠河。


そんな悠河を見て、悲しくもないのにあたしまで涙が溢れた。


「悠河にお願いがあるの」

「なに?」


ずっとずっと気になっていたくせに、目を瞑って逃げていたこと。


あたしにはまだ、しなきゃいけないことがある。


「一緒に行ってくれる?」

「……どこに?」


「お墓参り」


悠河の眉がピクリと動いた。