旦那様は社長 *②巻*


「ごめん、光姫ちゃん」


パタンと社長室の扉を閉めたと同時に、藤堂さんが言った。

とても苦しそうに表情を歪ませて。


やっぱり、あたしの予想は当たっていたのかな?


「まさか、悠河に何か……」

「え?悠河?」

「違うんですか?悠河……ずっとあたしに付き添っていたせいで……」


呆れたように笑う藤堂さん。


「そういうことか。相変わらずだな、光姫ちゃんも悠河も」

「え?」

「自分のことはいつだって後回しでしょ。とっても強く思い合っているんだな、2人は」


今の悠河は確かにそうかもしれない。

何よりもあたしを第一に考えてくれる。


だからこそ、あたしはそれに甘えすぎないように、いつも悠河が正しい未来(みち)を歩んでいけるように、これからもずっと側で支えていくと決めたの。