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「心臓が止まりかけた」
「……ごめんなさい」
「そんな身体でお前に何かあったらって……」
「悠河……」
胸の中の悠河を両腕で包んで、その頭を優しく引き寄せた。
悠河も、もうぜったいにあたしを離さないと言っているかのように、背中に回した腕の力を緩めようとはしない。
体勢を整えようと身体を少し動かしただけで、
「……ッ」
ギュッとその力が強まる。
「悠河、もう行かないから。どこにも……」
こんな少しのことで過敏に反応させてしまうなんて……、悠河の心をどれだけ傷つけてしまったのか、改めて思い知らされた。
「ごめんね、悠河」
「……」
「あたし……美姫がいなくなって、これから何を支えにすればいいんだろうって……。悠河にあわせる顔がないって……そう思ったの」
どれだけ悠河が美姫の誕生を心待ちにしていたか知ってる。
それに、美姫がお腹にいるって分かる前、有栖川家の人間としてうまくやっていけるのかって、あたしはそんな不安でいっぱいだった。
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「心臓が止まりかけた」
「……ごめんなさい」
「そんな身体でお前に何かあったらって……」
「悠河……」
胸の中の悠河を両腕で包んで、その頭を優しく引き寄せた。
悠河も、もうぜったいにあたしを離さないと言っているかのように、背中に回した腕の力を緩めようとはしない。
体勢を整えようと身体を少し動かしただけで、
「……ッ」
ギュッとその力が強まる。
「悠河、もう行かないから。どこにも……」
こんな少しのことで過敏に反応させてしまうなんて……、悠河の心をどれだけ傷つけてしまったのか、改めて思い知らされた。
「ごめんね、悠河」
「……」
「あたし……美姫がいなくなって、これから何を支えにすればいいんだろうって……。悠河にあわせる顔がないって……そう思ったの」
どれだけ悠河が美姫の誕生を心待ちにしていたか知ってる。
それに、美姫がお腹にいるって分かる前、有栖川家の人間としてうまくやっていけるのかって、あたしはそんな不安でいっぱいだった。

