許されるとか許されないとか、その時のあたしにはもう、そんなことぜんぜん頭になかった。
思うのは、
“行かなきゃ──…”
ただそれだけ。
──ガタン。
「光姫さん!無理よ、その身体じゃ!!」
体力が完全に回復していない今のあたしは、一歩を踏み出すことさえ難しい。
だけど今行かなきゃいけない気がするの。
悠河が心配だから……。
「社長。……あたし、本当は悠河の側にいたいんです」
「うん」
「悠河から預かった大切な命……あたしはなくしてしまったけれど……、もしもう一度、悠河の側にいることを許してもらえるなら──」
「一生離れないでいてあげて」
一條社長は美海さんの肩を抱きながら優しく微笑んだ。
「これから先も、きっと光姫さんは自分を責める日があると思う。だけどそれは、悠河さんも同じはずだから。その時は今の気持ちを思い出して、悠河さんに伝えてあげて。……大丈夫、本当の夫婦なら、乗り越えられるから。……何度だって」
そう言うと、一條社長はあたしの身体をフワリと抱き上げた。
「え?」
あたしの身体をベッドに戻し、頭を撫でる。
「もう少し──」
「……え?」

