旦那様は社長 *②巻*


『あの子はオレたちに教えるために来てくれたんだ。……命の重み、愛することの意味。
尊いけれど限りある命だからこそ、オレたちは全力で愛さなきゃいけないし、愛されなきゃいけないってこと。
美加、あの子はきっとオレたちのこと、空から見てるよ。オレたちの幸せを願ってる。
無理やり結婚させられたオレたちだけど、今度こそ心から愛し合えた時、きっともう一度あの子は来てくれる。オレはそう信じたい──』



「母はね?その時初めて思ったんだって。

“もう一度頑張ろう。この人を父親にしてあげよう”

って」


そうだ……、あたしもあの時、同じことを美姫に願った。


“悠河を父親にしてあげて”



もう自分の価値はないものだと思った。


……女としても。

……妻としても。


あたしの人生終わったみたいに、絶望しか感じられなかった。


だけど。


まだ希望を持ってもいいのかな……?


これからの人生に。


あたしは悠河の、あの時と同じ笑顔をもう一度見たい。



『パパになる感想は?』