悠河の言う通り、あたしの身体はどこかおかしかった。
何がおかしいか、なんてハッキリは分からない。
だけどなんだか自分の身体じゃないみたいだ。
何を食べても身体が受け入れてくれなくて、すぐに戻してしまう。
お腹にもずっと違和感を感じていた。
そして、何もする気力が湧かない。
ただ眠りたい。
そんなあたしの腕には日に日に点滴の針が増えていき、痛々しそうに見つめる悠河の目が、点滴の針なんかよりも痛かった。
先生も看護師もみんな、壊れ物を扱うかのようにあたしに気を遣う。
それはとてもありがたいことのはずなのに……。
ちょっと身体をよろめかせただけで過剰に反応されたり。
突然泣きわめくことを止めたあたしに、どう接したらいいのか分からないようだった。
……そして悠河も。
そんな居心地の悪さを感じながら数日が経過したある夜。
何か話し声が聞こえて目が覚めた。
だけど、目を開けることはできなかった。
声の主は悠河で、悠河の手が優しくあたしのお腹を撫でていたから。

