旦那様は社長 *②巻*


悠河の言う通り、あたしの身体はどこかおかしかった。

何がおかしいか、なんてハッキリは分からない。


だけどなんだか自分の身体じゃないみたいだ。


何を食べても身体が受け入れてくれなくて、すぐに戻してしまう。

お腹にもずっと違和感を感じていた。


そして、何もする気力が湧かない。

ただ眠りたい。


そんなあたしの腕には日に日に点滴の針が増えていき、痛々しそうに見つめる悠河の目が、点滴の針なんかよりも痛かった。


先生も看護師もみんな、壊れ物を扱うかのようにあたしに気を遣う。

それはとてもありがたいことのはずなのに……。


ちょっと身体をよろめかせただけで過剰に反応されたり。

突然泣きわめくことを止めたあたしに、どう接したらいいのか分からないようだった。


……そして悠河も。



そんな居心地の悪さを感じながら数日が経過したある夜。

何か話し声が聞こえて目が覚めた。


だけど、目を開けることはできなかった。


声の主は悠河で、悠河の手が優しくあたしのお腹を撫でていたから。