「あたし、美姫を……守れなかったのね……」
美姫だけじゃない。
悠河、あなたの笑顔もあたしは守ることができなかった。
“大切な人を失望させた”
その通りだよ……。
「ごめんなさい……ッ」
謝ったって何も解決しないけれど、今のあたしにできることはこれくらいしかないから。
「謝る必要なんてない。先生も言ってた。妊娠初期の流産は、赤ちゃん側に問題があることが多いんだって。光姫、お前は何も悪くないんだ。……誰も悪くない──」
「うぅ…ッ」
「オレはお前の方が……大事だから。誰よりも光姫が一番大切だから。……お前がいれば、他には何もいらない」
「ごめんなさい……ッ」
「もうこれ以上自分を責めるな。お前の身体にもよくない。早く……元気になって家に帰ろう?」
ポンポンと頭を叩かれたと同時に、一気に感情が溢れ出した。
涙が枯れてしまうまで泣こうと思った。
だけど、身体中の水分がもう涙と一緒に全部流れ落ちてしまったんじゃないかってくらい泣いても、涙は止まらなくて。
悠河にしがみつきながらずっとずっと泣き続けた。
……声が渇れるまで。

