旦那様は社長 *②巻*


「え?」

「美姫はお前のお腹にちゃんといるから」


その時、入り口の方から先生の声が聞こえた。


「もう一週間だけ……。それが限度よ」


なんの話なのかついていけず、不安げに悠河を見上げる。

悠河はあたしを見下ろし、瞳をユラユラと揺らしながら言った。


「あと一週間、美姫がまた動き出すのを待ってくれるって。……信じてるだろ?光姫も」

「悠河……」


嬉しかった。

悠河もあたしと同じ気持ちでいてくれたことが。


あたしの代わりに、先生にお願いしてくれたんだね。


「バカ。また泣いて……」


親指であたしの目尻の涙を拭いながら、悠河はあたしの大好きな笑顔を見せてくれた。


「悠河……大好き」

「知ってる」

「……ありがとう」


いつも強い心であたしを受け止めてくれて。

本当は悠河だって泣きたいはずなのに。


あたしのために……

あたしがいつでもその胸に飛び込めるように……

涙を見せない悠河。


だけど分かってる。

心の中で泣いてること。