旦那様は社長 *②巻*


目が覚めた時、あたしの腕には点滴の針が刺されていて、個室のベッドに寝かされていた。


見覚えのある部屋。

ああ……そうか……。


初めて美姫がお腹にいるって分かった時に過ごした部屋だ。


……美姫。


「美姫!?」


勢いよく起き上がると、視界がグルグルと回った。

気持ち悪い……。


お腹を庇いながらその場にうずくまる。


美姫は……

美姫は今……?


その時ガラッと扉が開いた。


「光姫!?」


大丈夫か!?と言いながら急いで駆け寄る悠河。


広い胸に抱き締められると、急に切ない思いが込み上げてきて涙が溢れた。


ここで寝かされていたということは……

さっきの夢の意味は……


「も…ッ…美姫……いなくなっちゃった…?」


全てがその答えに繋がってしまう。


美姫はもうどこにもいない。

あたしのお腹にも。


そんなの……



「いやあぁぁぁぁぁ」


イヤ…イヤだ…イヤだ…イヤだ…イヤだ…


「美姫──ッ!!」


泣き叫ぶあたしの顔を持ち上げ、悠河は言った。



「美姫はまだいる。お前の中にちゃんと。……だから……もう泣くな」