あたしの心に、深く大きなヒビが入った瞬間だった。
「どうしてあたしを責めないの!?」
「光姫……」
「お前のせいだって言えばいいのに!!」
違う。
あたしが言いたいのはこんなことじゃない……
「お前がちゃんと美姫を守らなかったからって……言えばいいじゃない!!」
「お前のせいじゃない」
「……ッ。なんでそんなに優しいのよ!!」
あたしは本当に最低だ。
大好きな人に、世界で一番大切な人にこんな哀しい顔をさせている。
「あたしの……せいだ……」
拳で悠河の胸を力一杯叩いて、何度も繰り返した。
「あたしのせい……」
この言葉を口にする度に、悠河を傷つけてしまっていたことにまったく気づいていなかったあたし。
一番哀しいのは自分。
一番辛いのも自分。
本当に自分のことしか考えていなかった。
だから今、悠河がどんな顔をしてあたしの拳を胸に受けているのか……
どんな気持ちであたしを見下ろしているのかなんて……
分かるはずもなくて。
「光姫……」
あたしを包み込むこの腕の震えも、血が滲むほどの力で握られていた拳にも気づかなかった。
気づいてあげられなかった。
失格だよ。
美姫のママも。
悠河の妻も──…

