旦那様は社長 *②巻*


神様は、どうしてこんなにもあたしたちに試練ばかりを与えるんだろう。


あたしはただ、悠河と幸せになりたいだけなのに。


「先生がね?明日、悠河も病院に来てって。来れる?」

「……」

「もしも美姫が明日も返事しなかったら、その時は──」


「やめろ!!」


辺りに響く怒鳴り声。

ビクンと身体が震えた。


悠河はあたしの顔を両手で持ち上げると、少し光に揺れる瞳をこちらに向けながら言った。


「もしもとか、そんなこと考えるな」

「……」

「美姫は生きてる。……ぜったいに」


そして再びあたしの顔を自分の胸に引き寄せた。


「お前が諦めてどうする?」


諦めてなんかいない。


「お前は母親だろう。今美姫を守ってやれるのはオレと光姫、お前だけだ」


そんなこと分かってるよ。


「美姫を信じてやれるのもオレとお前だけだ。……オレは信じるよ。美姫も……光姫、お前のことも」


どうして……


「どうしてそんなこと言うの!?」